2018-05

小説

オンリー・イエスタデイ 5「多動性障害」

 私自身のことも少し書いておこう。  小さいころから私は落ち着きがなく、1年生のとき、授業中におしゃべりをしてよく立たされた。ほかにも2人、よく叱られる子がいて、あるとき私を含む3人が放課後に残された。担任は女の先生で、教卓で採点か何かを...
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オンリー・イエスタデイ 4「Aの涙」

 はじめてAの家に行ったとき(最初に書いた唾を吐かれたとき)、彼は近道をすると言って、路面電車の線路沿いにある倉庫の隙間を通った。線路を隔てる枕木の柵と、倉庫の間に鉄条網が張ってあり、その下のわずかな隙間をくぐることができたのだ。唾を吐かれ...
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オンリー・イエスタデイ 3「才能」

 Aは抜群に絵がうまく、私はそれよりかなり劣ってはいたが、クラスで2番目に絵がうまいとされていた。  小学校2年のとき、「いなばの白うさぎ」の劇をすることになり、クラスを二つに分けてそれぞれに配役が決まった。Aと私は別のグループで、たまた...