2019-01

小説

オンリー・イエスタデイ 20「ガリ勉」

 高校1年のときの私のガリ勉ぶりは、今思い出しても、常軌を逸していたと言わざるを得ない。なぜそんなことをしたのか。  当時の私は、よく言えば純粋培養の優等生、悪く言えば無思慮な勉強オタクだった。医師の家系に生まれ、親類にも医師が多かったの...
小説

オンリー・イエスタデイ 19「進学校」

 中学3年生のとき、私はAとはクラスが別だったので、ふだんはあまり話す機会がなかった。高校受験が近づいたある日、朝礼が終わって教室にもどるとき、たまたまAといっしょになった。Aも私も府立の進学校を受験する予定だった。私は模擬試験ではいつも合...