2018-07

小説

オンリー・イエスタデイ 8「白血病」

 小学3、4年生のときに好きだったトモコのほかにも、私は白血病で女友だちを失っている。  幼稚園からいっしょだったゼニタカジュンコで、家も近所だったので、何度か互いの家で遊んだ。顎が小さく、髪が自然にカールして、睫毛の長い優しい目をしてい...
小説

オンリー・イエスタデイ 7「脅迫」

 3年生の同じクラスに、フカヤヒロシというガキ大将がいた。私は長い間、このフカヤに脅迫され続けた。  私がフカヤに逆らうと、「アレを言うぞ」と脅されたのだ。その一言で私は負け犬同然に尻尾を巻かざるを得なかった。  発端は3年生の夏に行わ...