2019-05

小説

オンリー・イエスタデイ 28「モルモン教」

 高2の1学期が終わるころ、私はモルモン教の宣教師と親しくなった。  きっかけは、昼休みに街頭にいる宣教師に話しかけたことだ。モルモン教に興味があったわけではない。実地の英会話を鍛えたくて、アメリカ人と話してみたいと思っていたのだ。学校で...
小説

オンリー・イエスタデイ 27「晴天嫌い」

 そのころの私は、Aの悪魔性、反社会性に惹かれながらも、自らの優等生的な良心にも執着を感じていた。努力することや、誘惑に負けず自分の意志を貫くことに、まだ価値を見出していたのだ。  倫理社会の授業で、クロムウェルの禁欲主義を習ったときも、...