2019-04

小説

オンリー・イエスタデイ 26「銀縁眼鏡」

 高校2年のころのAの風貌には、一種独特のものがあった。   7歳のときから彼を知っている私としては、ある種の異様さにますます磨きがかかった印象だった。  Aは中学生になってから、近視の眼鏡をかけていたが、そのころは縁が黒と透明のプラス...
小説

オンリー・イエスタデイ 25「貧乏ゆすり」

 高校2年の1学期、私は相変わらず勉強に打ち込む日々を送っていた。  おかげで成績は上がったが、模擬試験で名前が張り出されるところまではいかなかった。私の通っていた高校では、450人中上位20番までが、毎回、職員室前の廊下に張り出されるの...