2020-01

小説

オンリー・イエスタデイ44「マント」

 高校2年の冬、私はとにかく個性的でありたいと願っていた。  もともと、人と同じというのがいやな性格だったので、団体行動も苦手だったし、みんなで何かを成し遂げるというようなことも嫌いだった。祭りや盆踊りの雰囲気は好きだったが、あくまでその...
小説

オンリー・イエスタデイ43「慢心」

 私がAに感じていた特異な個性が、幻想だったとすれば、私はなぜそのようなものを求めたのか。どうしてそんな架空の憧れめいた意識を持とうとしたのか。まったく心当たりはない。  もしかして逆に、Aが私の幻想を維持するために、私のイメージに合うA...