2019-11

小説

オンリー・イエスタデイ40「告白・前編」

 高校2年生のとき、私はAとともに自らを孤高に仕立て上げ、意味もなく級友たちを忌避し、ほとんど口も聞かなかった。  10月には修学旅行があったが、その間も同じメンタリティを保つつもりだった。ところが、早朝に集合場所に集まり、Aと顔を合わせ...
小説

オンリー・イエスタデイ39「覚醒」

 医師になって医学の研究に勤しみ、難病の治療を開発して、多くの患者を救いたいという私の初志は、ドグマの発見によって完全に意義を失ってしまった。  それどころか、世間的に立派と評される目標が、何の深みもない浅はかなものに思え、嫌悪さえ抱くよ...